2023年8月4日に劇場公開されたディズニーとピクサー制作の「マイ・エレメント」
早速ディズニープラスで2023年11月1日から配信が開始されました。
アメリカで公開された当時は「爆死」と言われていましたが、逆転勝利の大黒字作品となった本作。
本記事では本作と同時期に配信された「マイ・エレメントが起こす奇跡の化学反応」より、マイ・エレメントの制作秘話をご紹介します。
ネタバレを含むため、未鑑賞の方は鑑賞後にご覧ください！
あらすじ
火・水・土・風のエレメント（元素）たちが暮らす、エレメント・シティにはルールがある。それは、“違うエレメントと関わらない”こと――。 だがある日、父の店を継ぐために頑張る火の女の子〈エンバー〉は偶然、自由な心を持つ水の青年〈ウェイド〉と出会う。ずっと火の街にいたエンバーは、彼と過ごすことで初めて世界の広さに触れ、自分の新たな可能性を考え始める。「私の本当にやりたいことって…？」 正反対のふたりの心が触れ合う時、色鮮やかな奇跡が起こる――。
Disney マイ・エレメントhttps://www.disney.co.jp/movie/my-element
実話を元にしている？
結論、マイ・エレメントは実話ではありません。
ただ、本作の監督であるピーター・ソーンは自身の経験から本作の着想を得たと「マイ・エレメントが起こす奇跡の化学反応」で語っており、彼の人生をもとに作られたストーリーや表現がたくさんあります。
元素＝人種 移民の苦労
本作はたくさんの元素が暮らすエレメントシティに火の元素エンバーの両親が移民として入国するするとことから始まります。
実はピーター・ソーン監督の両親も1970年代にアメリカ移住してきた韓国人でした。
移民の苦労は計り知れず、ピーター・ソーン監督の両親は生活を守るため、小さな食料品店を開き必死に働いていたそうです。
外見が違うことで、いじめの対象になったり石を投げつけられたこともあったとか。
本作では危ないという理由から入居拒否や駅に入れないなど、エンバー家族が差別を受けるシーンが描かれていますが、これらは当時のアメリカでの移民の生きにくさ、大変さを表しています。
元素＝人種を超えた恋
また、本作の最大の魅力、火の元素のエンバーと水の元素のウェイドの恋。
自分にないものを持つお互いに惹かれていくエンバーとウェイドですが、エンバーのおばあちゃんがなくなる前にエンバーに残した言葉は「火と結婚しなさい」でした。
またエンバーの父バーニーも水を差し火を消す水の元素が大嫌いです。
昔よりははるかに多くなったものの、異人種間の結婚の割合はまだ低く、実際にピーター・ソーン監督の祖母も死に際に「韓国系と結婚しろ」と言っていたそうです。
しかしピーター・ソーン監督が恋に落ちた相手は韓国系の女性ではありませんでした。
しかし、後に、奥さんに「あなたがいてくれてよかった」というほど、とても可愛がり愛したとピーター・ソーン監督は語っています。
作品中のエンバーの両親と全く同じですね！
本作中では、エンバーとウェイドが触れ合うことで新しい化学反応が起こりますが、現実社会では文化の融合という表現に変わるのかもしれません。
愛の伝え方
韓国の文化において愛を伝える方法は言葉よりも相手への思いやりのある行動だとピーター・ソーン監督は語っています。
本作でエンバーが幼い頃火への偏見から入場を拒否され、見ることのできなかったヴィヴィステリアの花をウェイドが見せに連れていくシーンがありますが、監督曰くこちらはエンバーへの愛を伝えるウェイドの行動なのだとか。
また、作品中にはエンバーとウェイドの愛だけでなく、親子の愛についてもたくさん表現されています。
ピーター・ソーン監督の両親が行動で伝えてくれていたように、エンバーやウェイドの家族も、「互いへの思いやり」という形でたくさんの愛を表現しているのだそうです。
まとめ
「マイ・エレメントが起こす奇跡の化学反応」の終盤で、これほどまでに個人的に思い入れのある作品は初めてだとピーター・ソーン監督は語っています。
マイ・エレメントは実話ではありませんが、監督の人生から着想を得ている部分がたくさんあるため、どこか現実的で考えさせられる作品です。
誰もが人生できっと一度は感じたことのある疎外感や違和感、大切な人に対する愛情や思いやり、それゆえに感じるプレッシャー。
1度のみでなく、2度3度見直したい作品です。
また、まだ人種の違いを知らない子供にとっては、見た目や文化の違いを受け入れる大切さを知るのにもってこいの作品です。
さすがディズニー＆ピクサーの作品だと言わんばかりの「マイ・エレメント」。
みなさんも自分の人生と照らし合わせて、気づきを発見して見てください。
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